ひとり九州どんぶらこの旅(2005.3)

 

☆アウトライン☆

 元々九州に行きたい、というのを強く持っていました。理由は佐世保に行きたいから(笑)。卒論の調査以降、一度も佐世保を訪れることができなかったのがその理由です。さらに3月で一応学生生活にもけりがつくので卒業旅行を兼ね、九州を巡ることにしました。

 しかしお金のない学生(いや、院生)、以下に安く済ませるかを考えるものです。旅行会社から大量の九州フリープランのパンフレットを入手し、ネットで価格調査し、考えました。今回は羽田⇔福岡の航空券と一泊分の宿代がセットになったプランにしました。このプラン、2〜14日まで旅行期間を選択することができ、残りの泊数は自己手配でどこに泊まってもいいんですよ(もちろん知り合いがいたらその家でもいい)。いやぁ、ぐるぐるするにはぴったりなプランだ。

 

☆1日目☆

 まずは羽田から一路福岡空港へ。安ツアーなので飛行機はスカイマーク。びっくりしたのは、他社なら紙コップで配られる飲み物が200MLのペットボトル!ポカリスエットやジャワティーがラインナップされていたので大塚製薬とタイアップしているのか。

 福岡空港に着いてからは博多駅に移動。ここで九州フリーきっぷなるものを入手。これはツアー購入者だけが買えるチケットで、九州県内ぐるぐるできて5日間で約15000円とお買い得!予約券をもらっていたのできっぷと引き換え。

 飛行機降りるまでは唐津(佐賀)に行くつもりでしたが、駅で発車案内を見ていたら由布院という言葉を見つけてしまったので、由布院に行くことに(笑)。これは大分に向かう特急の中で撮ったのだけど、雲の切れ間から筋のように降り注ぐ光が幻想的。

 3時間ばかりかかり由布院に到着。雨は降っていなかったのでレンタサイクルを使って街中を巡ることに。しかし後から気がつくのですが、この街は自分の足で巡ったほうが細かい仕掛けに気がつきやすい!ので1時間もかからぬうちに自転車を返しました。

 由布院は昔ながらの街並を活かし、観光客誘致を進めているところです。その街並の作り方や観光客誘致では、全国的にも有名なまちづくりの賞をいくつも獲得しています。写真も古い建物を活かし味のあるお店に。ストリートには地元の特産品を生かしたお店、女性が喜びそうなかわいい小物のお店、地元の八百屋などいろいろなお店が混在しています。個人的には「なぜここにどんぐり共和国?(ジブリグッズのチェーン店)」というのがちと残念。

 とはいっても、メインストリートのすぐ裏にはこんな普通の家々が広がっています。また、メインストリートから少し外れたところにAコープがあり、由布院マダムが買い物をしてらっしゃいました。都会と違い、高い建物がないためすっきりと空を眺めることができます。

 もちろん由布院の魅力は街並だけではありません。自然の景色もまた魅力的です。ここは金鱗湖という湖。まるで絵画のよう。しばらくぼーっとしていました。
 由布院散策の後、大分経由で福岡に戻ることにしました。別府で電車待ちの時間があったため、散策することに。そこで見つけました、面白いもの。

 何ですか?「かちんそば」って??方言???

 

 

 福岡がこの日の宿だったので、宿近くにあるキャナルシティに行ってみました。ここは複合ショッピング&オフィスビルといったほうが正しいのだろうか。平日の夜だったので人も少なくゆったりと歩くことができました。ぼんやりと散策するにはちょうどいいかもしれません。

 さらに九州一の繁華街・中州に行ってきました。さすがにこの街は一面ピンク、ピンク…。治安もよろしくないと聞いていたのですぐに帰ってきましたが。

 

☆2日目☆

 この日は鹿児島に行くことだけ決めていました。ので、九州新幹線を使って一路鹿児島へ。しかし、九州新幹線に乗るためには一度「リレーつばめ号」という特急に乗らないといけないのです。さらに一度終点(新八代)で電車を乗り換えるのに博多からすでに新幹線の終点(鹿児島中央)になっているところがちょっとナンセンスか。というより、分かりづらい。

 新幹線が通っていく景色はどんなだろう?と撮ってみることにしました。しかしトンネルが多すぎて何のことやらさっぱり。唯一に近いですが、川内あたり(せんだいって読みますよ)から撮った景色です。

 終着・鹿児島中央駅です。なんと駅には観覧車があるんですね!昔のデパートの遊園地みたいですが、そこよりは立派で。ちょっと小雨が降っていたのは残念だったな。晴れたら乗ってもよかったけど…自分高所恐怖症だ。新幹線が開通したからか、思ったよりも駅前は栄えていました。賑わっている、という感じまではいかなかったけど。

 ここから中心部(繁華街)・天文館までは歩いて15分ぐらいかかります。

 鹿児島に来たからには桜島に行ってみようと歩き始めたのですが、珍しい建物や景色につられていくうちに公園の入り口にやってきました。そのまま登ることに。やはり地理学専攻、初めてのところにいったらまず高いところに上らないと気が済まないのか?(笑)

 20分ぐらいでてっぺんへ。てっぺんから桜島方向を望んでみたのですが、どうも天気が悪くもやがかかっていて、ぼんやりとしか見えませんな。

 桜島に渡る船はだいたい10分から15分に1本出ています。びっくりしたのは24時間運行していること!生活の足になっていることを実感します。私も15分ばかりどんぶらこと揺られて到着。公園や道路ときれいに整備されていて観光客を迎える、という街の姿勢が感じられます。しかし人が歩いていないから街の活気が感じられなかったのが残念。オフシーズンだからか観光客もあまりいませんでしたな。

 この公園もぱらぱら人はいるんですが…ちとさみしい。

 これも地理学専攻の性だからかもしれませんが、知らない街に行くと人々がどんなところで生活しているのか気になります。私が意味なくスーパーに入るのもそれが理由(笑)。何も買わずでてくることがしょっちゅうです。変わった惣菜やお菓子が気になってしょうがありません。

 桜島から戻った私は、繁華街・天文館に行きました。そしてこの写真ですよ。どこだと思います?ここ山形屋という地元デパートの地下連絡通路。これだけだと怪しい地下道か飛行場の搭乗ブリッジか。この通路、意外に長い。本当にあっているのかとちょっと心配になりながら通りました。

 昼間に撮った鹿児島中央駅です。全く同じ場所から撮影。観覧車は光の模様を描いているやつです。こう見るとパレットタウン(お台場)の観覧車に近いのかな?コスモクロック(みなとみらい)とは違うよね?きれいでしたよ。

 さて、この後、私は新幹線で博多に戻りました。ちなみにこの日、私は宿を取っていません。じゃあどうするのかというと…、

 

☆3日目☆

 私は博多から深夜特急で一路宮崎にやってきました。鹿児島から行ったら2時間ばかりで行ける宮崎に深夜特急で来た理由?お金掛けたくないからに決まってるじゃん。貧乏なんでねぇ。

 今日は肥薩線という電車に乗って日本3大車窓と言われている景色を見に行こうかと。その理由?行きたがっている両親に自慢(笑)。大人気ないなぁ、我ながら。

 電車の乗り換え地点である隼人にやってきました。市町村の区切りで言うと「町」なので、その名にふさわしいのんびりとした町。鹿児島というと田より畑のイメージが強いのですが、この辺りは田が多いのね。小高い山が周囲を囲み、川もあるため扇状地のような様相を見せています。
 電車を乗り継ぎ、噂のポイントにやってきました。確かに深い景色だよね。高地から眺めるからかなり遠くまで見えるし。霞もいいアクセントを加えているね。しばらくぼけーっとしてたいな。

 さらに電車を乗り継ぎ、行く予定のなかった熊本にやってきました。熊本行きは人吉から乗った特急で車掌さんがやってくる直前に決めました。それぐらい急。こういうことが一人旅だとできるからいいね。

 てなわけで熊本にやってきたわけですが、これが中心部とは思えないくらい静か。確かに駅から官庁のある中心部の中間くらいでこの写真を撮りましたが、にしても静か。官庁やデパートのある中心部も大賑わいというわけではなく。確かに平日の昼3時ぐらいだからそこまでというわけではないでしょうが。

 あと思ったこと。熊本の建物はやたら白っぽい。熊本城の影響か?

 さて、この日も深夜特急に乗って宿代を浮かそうと鹿児島経由で宮崎に向かうことにしました。各駅停車に乗り、鹿児島を出るとこんなアナウンスが。
「霧島神宮駅付近で倒木がありましたが、まもなく運転再開できる見込みのため、この電車もこのまま運転いたします」

 それなら良かった、と安心する私。と乗っていると国分駅で止まる。なんと、前に発車したはずの電車がまだいるらしい。乗り換えてくれ、と言われ乗り換える。待つ、待つ、待つ…。動かん。そしたら、「前の電車が停電のため停車しております」と。

 何ぃ??おいおい、深夜特急乗れないじゃん!そしたらこの電車まで停電!!どうなる、私?!

 

☆4日目☆

 その後私は、「深夜特急は定刻どおり発車」と聞き、乗れないこと決定。どうにかなるだろう、と逆にこのトラブルにワクワク(笑)。宮崎に着いたのは定刻より1時間遅れの午前0時40分過ぎ。改札口で交渉したら泊めてくれたのがこのホテルです。これが大変居住性の良いビジネスホテルで、大変満足しました。「ロイネットホテル」です。宮崎にご用のみなさん、ぜひどうぞ(笑)。

 天気も良くてね、このカットだけでも「南国・宮崎」を思わせる。

 この日はすでに佐世保に宿を取ってあるので、何としても佐世保に向かわねば。何といっても、お世話になった「YOSAKOIさせぼ祭り」実行委員会の人々と呑まなければいけないんですから(笑)。というわけで最短経路である九州新幹線経由で向かうことにしました。昨日夜の暗闇で見えなかった桜島もしっかり見ることができましたよ。

 しかし、このおかげで九州新幹線、4回乗ることになったのです。別に狙ったわけではないよ。

 この日は曇りベースで推移していったのですが、たまにこんな青空を見ることもできました。これは有田辺りで撮ったのかな?なんといってもこの日は佐世保に移動するために一日費やしたのでね。予定ではこの日長崎に行こうと思っていたのに。

 さて、この日の写真はこれまでです。なぜかって?この後はずっと佐世保の実行委員と話し、呑んでいました。おいしいお寿司もご馳走になったし、実行委員いきつけスナックのママや従業員の方々と久々に再会できたし。いい日でした。

 ちなみにこの日の宿泊は実行委員の方が支配人をしてらっしゃるホテルです。ちゃんと自分で払いましたよ(笑)。

 

☆5日目☆

 朝は佐世保の朝市を覗き、なつかしの場所を探索してました。この日は最終日。土産を調達しないといけないので、佐世保のお隣の駅・日宇にある「九十九島せんぺい」の工場にいくことにしました。ここは私が佐世保調査時代、泊めさせてもらっていたお宅の奥様に教えていただいた場所で、焼きたての「せんぺい」が1割引で買えます。それに買いに来た人には焼きたての「せんぺい」を1枚サービスしてくれて、さらにお茶まで出してくれる!至れり尽くせりですな。

 お土産を買い、日宇の町を散策。宅地化も進んでいますが、平戸街道が通っていたこともあり、こんな味のある小川が街中に流れています。

 街道沿いに歩いていると「エピー焼立パン」なる文字が。私は何回かこの通りを歩いていますが、この文字に気がついたのは初めて。確かにパンがある。気になるので入ることに。種類は少ないものの、パンが並んでいます。しかも安い!昔からある、素朴なパンが多いでしょうか。

 お店はおばあちゃんが1人で切り盛りしているらしく、私の前に会計をしてもらおうとしたおねえさんが何度呼んでも奥から出てこず、困っていました。

 ちなみにこれが買った一つのソーセージパン。直径6,7センチぐらいなのですが5つ入っていて100円!生地はほんのり甘い、本当に素朴なパンでした。

 しかし、この後私は長崎に向かってパンを食べるのですよ。ここでパンを買っていいのか??

 この日は前日雪が降った(!)とは思えないほど快晴で、大村湾もこんなにきれいに出迎えてくれました。この日の大村湾はホントすばらしかった!!
 私がこの旅最後の目的地として選んだのが長崎です。高校の修学旅行に来て以来、ひさびさにやってきました。お目当ては「マルコ・ポーロ」というパン屋のカレーパン。ナンにはさんである大振りのカレーパンだそうで、カレー大好きの私にはたまらなさそう。しかし、お店に行くと、すでに売り切れ!!ショック!このために来たのに(苦笑)。なので普通のカレーパンを買いました。普通のカレーパンもフィリングのカレーがスパイシーで大変おいしかったです。

 もしやこいつパン屋しか行っていないのか、とお思いかもしれませんが、観光もしましたよ。といっても時間がなかったので眼鏡橋に行きました。ここも修学旅行で行ったなぁ。しかしそのときは曇りで暗いイメージの橋、という印象を持っていたのですが、晴れている時に見るとすっきりとした印象の橋だ、ということを強く感じました。ただちょうど改修工事中だったのが残念。

 さて、この後私は大急ぎで佐世保に戻り、実行委員の方に福岡空港まで送ってもらうことに。最近の日産車の高性能ぶりにびっくりしながらも。そして福岡から我が家に深夜、無事に戻りましたとさ。

 

☆終わりに☆

 1人で旅をするって、少し心細く、寂しいものと感じるでしょう。でもそういう不の部分をあえて抱えて出ることが、一人旅の醍醐味なのかな、ということも感じました。

 こんなに自分トラブルを楽しめる人物なのか、って改めて感じましたし。思いつくまま、気の向くまま旅ができるのも特権ですよね。

 これを書いていてまた旅がしたくなってきた。今度は深く、深く、巡ろうかな。今回行けなかった平戸に行きたい、ほんとに。佐世保行くたびに実は言っているんですけど。

 みなさん、平戸はホントおすすめです。そして、1人で行くことを切にオススメします。黄昏時にはぴったりかも。

 

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